中国語を学び始めるとき、多くの人がまず参考書やアプリ、動画教材などを使って独学から始めます。
独学は、自分のペースで始められて、費用も抑えやすい方法です。仕事や生活の予定に合わせて学習しやすいため、社会人にとっても取り組みやすい選択肢です。
一方で、中国語は最初の段階でつまずきやすいポイントもあります。
たとえば、ピンインや四声の感覚がつかめない、発音が正しいのかわからない、単語を覚えても会話になると出てこない、教材を買ったのに続かない、といった悩みです。
私自身も大学時代に中国語を学び、北京への留学を経験しました。現地で生活してみると、教科書で学んだ表現を知っていても、実際の会話では聞き取れなかったり、短い返答がすぐに出てこなかったりする場面がありました。
中国語は、漢字を使うため日本人にとって入りやすい部分があります。
しかし、発音・声調・聞き取り・会話の瞬発力は、日本語の感覚だけでは身につきにくい部分です。
この記事では、中国語学習で初心者が失敗しやすいポイントと、独学でできること・オンライン講座を使ったほうがよい場面を整理します。
失敗しやすいポイント1:発音を後回しにしてしまう
中国語学習で特に失敗しやすいのが、発音を後回しにしてしまうことです。
中国語は漢字を使うため、文字を見るとなんとなく意味を推測できることがあります。そのため、最初は「単語や文法を覚えれば何とかなる」と思いやすいかもしれません。
しかし、中国語では発音と声調がとても重要です。
声調とは、音の高さや上がり下がりのことです。中国語では、同じ音のように見えても、声調が違うと意味が変わることがあります。
初心者のうちに発音をあいまいにしたまま進めると、あとから次のような問題が出やすくなります。
・知っている単語なのに聞き取れない
・自分では言えているつもりでも通じない
・音声教材を聞いてもピンインと音が結びつかない
・会話のときに自信を持って話せない
・あとから発音を直すのに時間がかかる
特に独学では、自分の発音が合っているかを判断しにくいです。
音声を聞いてまねすることは大切ですが、初心者のうちは「どこが違うのか」に気づけないこともあります。
そのため、最初の段階では、ピンイン・四声・基本的な発音にしっかり時間を使うことをおすすめします。
失敗しやすいポイント2:単語帳だけで勉強してしまう
語学学習では、単語を覚えることも大切です。
ただし、中国語を始めたばかりの段階で、単語帳だけを使って勉強すると、実際の会話で使いにくくなることがあります。
たとえば、単語の意味は覚えているのに、文の中でどう使えばよいかわからない。
ピンインは見たことがあるのに、音として聞き取れない。
日本語から中国語にしようとすると、言葉が出てこない。
こうした状態になりやすいです。
初心者のうちは、単語を単体で覚えるだけでなく、短いフレーズや例文の中で覚えるほうが実用につながりやすいです。
たとえば、次のような形です。
・これは何ですか
・もう一度言ってください
・私は中国語を勉強しています
・駅まで行きたいです
・おすすめはありますか
短いフレーズを音声とセットで覚えると、実際の場面でも使いやすくなります。
特に、中国出張や駐在、留学、旅行に備えて学ぶ場合は、単語だけでなく「場面で使う表現」を意識するとよいでしょう。
失敗しやすいポイント3:教材を増やしすぎる
中国語を始めると、参考書、アプリ、YouTube、単語帳、検定対策本など、いろいろな教材が気になります。
便利な教材が多いのは良いことですが、初心者のうちに教材を増やしすぎると、かえって学習が進みにくくなることがあります。
よくあるのは、次のような状態です。
・入門書を買ったけれど途中で止まる
・アプリを複数入れたが、どれも続かない
・動画を見ているだけで満足してしまう
・毎回違う教材に手を出して、復習ができない
・自分がどこまで進んだのかわからなくなる
最初のうちは、教材を増やすよりも、1つの教材を決めて何度も繰り返すほうが効果的です。
おすすめは、次のように役割を分けることです。
・メイン教材:入門書やオンライン講座など、学習の軸になるもの
・音声教材:発音やリスニングに使うもの
・補助教材:アプリや動画など、すきま時間に使うもの
すべてを完璧に使いこなす必要はありません。
まずは、学習の軸になる教材を1つ決めることが大切です。
失敗しやすいポイント4:聞き取りと発話の練習が足りない
中国語を独学していると、読む・覚える学習に偏りやすくなります。
参考書を読む、単語を覚える、文法を確認する。
これらはもちろん大切です。
ただし、聞き取りと発話の練習が少ないと、実際に中国語を使う場面でつまずきやすくなります。
たとえば、次のようなことがあります。
・文字で見ればわかるのに、聞くとわからない
・音声のスピードについていけない
・簡単な質問にすぐ答えられない
・自分の発音に自信が持てない
・会話になると頭が真っ白になる
私自身も、北京で生活する中で「知っているはずの言葉が聞き取れない」「簡単な返事がすぐに出ない」と感じる場面がありました。
語学は、知識としてわかることと、実際に使えることの間に差があります。
その差を埋めるには、音声を聞く、声に出す、短い会話を練習することが必要です。
独学の場合でも、音読やシャドーイング、自分の声の録音などは取り入れやすい方法です。
失敗しやすいポイント5:目的があいまいなまま始める
中国語を始めるとき、目的があいまいなままだと、途中で何を優先すべきかわからなくなります。
「なんとなく中国語ができたらいいな」と思って始めること自体は悪くありません。
ただ、学習を続けるうえでは、小さくてもよいので目的があったほうが進めやすいです。
たとえば、次のような目的があります。
・中国出張で簡単なあいさつができるようになりたい
・駐在前に生活で使う表現を覚えたい
・HSK3級を目指したい
・中国語の動画を字幕なしで少し理解したい
・旅行で困らない程度の会話を身につけたい
・仕事で中国語の資料を読むための基礎を作りたい
目的があると、学ぶ内容を選びやすくなります。
出張や駐在に備える人なら、日常会話やビジネス場面の表現を優先するとよいでしょう。
検定を目指す人なら、単語・文法・読解・リスニングを体系的に学ぶ必要があります。
趣味で学ぶ人なら、好きなコンテンツを入り口にするのも続けやすい方法です。
最初から大きな目標を立てる必要はありません。
まずは「1か月でピンインに慣れる」「3か月で簡単な自己紹介をする」くらいでも十分です。
独学でできること
中国語は、独学でも始められます。
特に入門段階では、市販の教材やアプリ、動画、音声教材を使って、基礎に触れることができます。
独学でできることには、次のようなものがあります。
・ピンインの仕組みを知る
・四声の基本を学ぶ
・基本単語を覚える
・簡単な文法を理解する
・短い例文を読む
・音声を聞いてまねする
・HSKや中国語検定の入門レベルに取り組む
独学の良いところは、自分のペースで進められることです。
忙しい社会人でも、通勤中に音声を聞いたり、寝る前に短いフレーズを復習したりできます。費用を抑えて始められるのもメリットです。
一方で、独学には向き不向きもあります。
自分で学習計画を立てるのが苦手な人や、発音に不安がある人、会話練習の機会が欲しい人は、独学だけでは続きにくい場合があります。
オンライン講座が向いている場面
オンライン講座やオンラインレッスンは、独学では補いにくい部分をサポートしてくれます。
特に向いているのは、次のような場面です。
・発音を確認してもらいたい
・四声が合っているか見てもらいたい
・会話練習の機会がほしい
・独学だと続かない
・学習ペースを作りたい
・中国出張や駐在に向けて短期間で準備したい
・HSKや中国語検定の対策を効率よく進めたい
オンライン講座のメリットは、講師やカリキュラムがあることで、学習の流れを作りやすい点です。
特に発音は、自分だけで判断しにくい部分です。
講師に聞いてもらい、その場で直してもらえると、初心者にとっては安心感があります。
また、会話練習ができるサービスであれば、実際に中国語を口に出す機会を作れます。
中国語は、読んで理解するだけでなく、聞いて話す練習も大切です。
独学で基礎を学びつつ、必要な部分だけオンライン講座を使う方法もあります。
独学とオンライン講座はどちらがよいか
独学とオンライン講座は、どちらが正解というものではありません。
大切なのは、自分の目的や性格、生活リズムに合っているかです。
独学が向いている人は、次のような人です。
・まずは低コストで始めたい
・自分のペースで進めたい
・教材を選んで学ぶのが苦ではない
・毎日少しずつ続ける習慣がある
・検定対策を中心に進めたい
一方で、オンライン講座が向いている人は、次のような人です。
・発音を見てもらいたい
・会話練習をしたい
・学習計画を相談したい
・一人だと続けにくい
・仕事や駐在に向けて早めに準備したい
・初心者のうちに基礎を固めたい
最初は独学で始めて、途中でオンライン講座を取り入れる方法もあります。
たとえば、最初の1か月は入門書と音声教材でピンインや基本表現を学び、その後、発音や会話の確認のためにオンラインレッスンを受けるという流れです。
反対に、最初だけオンライン講座で発音の基礎を学び、その後は独学中心に切り替える方法もあります。
どちらか一方に決めつけず、必要に応じて組み合わせるのが現実的です。
失敗しないための学習ステップ
中国語学習で失敗しないためには、最初から多くを詰め込みすぎないことが大切です。
初心者の場合は、次のような順番で進めるとよいでしょう。
1. 目的を決める
まずは、中国語を学ぶ目的を決めます。
出張・駐在・旅行・留学・検定・趣味など、自分にとっての理由を整理しましょう。
2. ピンインと四声に触れる
次に、発音の土台となるピンインと四声を学びます。
完璧に覚えきる必要はありませんが、音声と一緒に練習することが大切です。
3. 短いフレーズを覚える
単語だけでなく、短い文として覚えましょう。
あいさつ、自己紹介、質問、お願いなど、使いやすい表現から始めるのがおすすめです。
4. 音声を聞いて声に出す
中国語は、見て覚えるだけでは身につきにくい部分があります。
音声を聞き、まねして声に出す練習を取り入れましょう。
5. 必要に応じてオンライン講座を使う
発音や会話に不安がある場合は、オンライン講座やレッスンを検討します。
特に初心者のうちに発音を見てもらうと、その後の学習が進めやすくなります。
最初の1か月で避けたいこと
中国語を始めた最初の1か月は、学習を習慣にする時期です。
この時期に避けたいのは、次のようなことです。
・教材をたくさん買いすぎる
・単語だけを暗記しようとする
・発音を後回しにする
・毎日長時間やろうとして挫折する
・難しい文法から始める
・完璧にできないと意味がないと思ってしまう
最初から完璧に話せる必要はありません。
中国語の音に慣れる。
ピンインを見て読み方のイメージが持てる。
短いフレーズをいくつか声に出せる。
まずはそのくらいで十分です。
社会人の場合、学習時間を毎日たくさん確保するのは簡単ではありません。
だからこそ、短い時間でも続けられる形を作ることが大切です。
まとめ
中国語学習で失敗しやすいポイントは、発音を後回しにすること、単語帳だけで勉強してしまうこと、教材を増やしすぎること、聞き取りや発話の練習が足りないこと、目的があいまいなまま始めることです。
中国語は、漢字を使うため日本人にとって入りやすい面があります。
一方で、発音・声調・聞き取り・会話の練習は、意識して取り組まないとつまずきやすい部分です。
独学でも基礎を学ぶことはできます。
ただし、発音を確認してもらいたい人、会話練習をしたい人、学習のペースを作りたい人は、オンライン講座やレッスンを活用する方法もあります。
大切なのは、独学か講座かを最初から決めつけることではありません。
自分の目的や生活リズムに合わせて、必要な学習方法を組み合わせることです。
まずは、ピンインと四声に触れ、短いフレーズを音声と一緒に練習するところから始めてみましょう。

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